不妊治療

FERTILITY TREATMENT

体外受精・顕微授精

体外受精は1978年に世界で初めての体外受精が成功して以来、現在まで発展を続け、生殖医療にとって欠かせない治療となっています。 日本においては2017年に体外受精により誕生した赤ちゃんは56,617人で、今や17人に1人が体外受精により出生しており、この技術による不妊治療は普及、定着しています。

体外受精とは

体外受精とは、複数の卵子を作り(卵巣刺激)、体外に取り出し(採卵)、体外で精子と受精させ(体外受精・顕微授精)、培養して分割した受精卵(胚培養)を子宮内に戻す(胚移植)治療です。
体外受精では受精ができないほど精子の状態が良くない場合や体外受精で受精しない場合には、細い針を使って卵子の中に精子を1個注入する 顕微授精(卵細胞質内精子注入法:ICSI)を行います。
培養を行った受精卵は凍結保存をすることで最も適した時期に移植を行うことができます(凍結融解胚移植)。

体外受精の適応について

体外受精の適応となるのは

1. 卵管の異常が考えられる場合
2. 精子の数が少ない場合(極端に少ない場合、顕微授精の適応となります)
3. 精子の動きを悪くする抗体(抗精子抗体)
4. 不妊スクリーニング検査で異常がないのに一定期間妊娠しない場合

に当てはまるカップルですが、その他、ご年齢や卵巣予備能の低下(卵子数の減少)、早発閉経の発症が疑われる方で妊娠を急がなくてはならないカップルは、通常の不妊治療のステップを踏むのではなく早めに体外受精治療を選択する方が良い場合もあります。
タイミング法や人工授精からのステップアップに悩む場合や体外受精が必要な状態かどうかなどについてお気軽にご相談ください。
当院は体外受精・顕微授精専門クリニックです。日々発展をし続けている高度な技術と専門知識で最適な体外受精・顕微授精治療を提供いたします。

体外受精の治療の流れ

卵巣刺激
採卵
体外受精・顕微授精
胚培養
胚移植

卵巣刺激について

卵子は卵胞という袋に入っています。胚移植可能な良好胚を得るために卵巣刺激を行い、複数の卵胞を育てます。
当院の卵巣刺激法には高刺激法(アンタゴニスト法・ショート法)、中・低刺激法(クロミフェン/レトロゾールーHMG法)及び自然周期法などがあります。これらの刺激方法の中から患者さん一人一人にあった最適な卵巣刺激方法を選択します。

<中刺激の一例>

クロミフェン-HMG法

月経3日目から卵胞の発育を促す経口薬(クロミフェン)を内服し、卵胞発育を補助する注射(HMG製剤)を3−4回使用します。
卵胞が十分に発育したのを確認した後、卵子の成熟を促す点鼻スプレー(GnRHアゴニスト)と注射(hCG)を行い、約35時間後に採卵を行います。マイルドな刺激の為、採卵できる卵子の数はやや少なくなりますが、卵巣過剰刺激症候群を発症するリスクは抑えられるため、採卵のリスクを最小限にしたい方や高刺激で卵胞数が得られない方の適応となる場合が多いです。
クロミフェンを長期使用すると子宮内膜が薄くなり着床率に影響が出てしまう可能性があるため、胚は全て凍結し、次の周期に戻します。

通院のイメージ

月経の1~3日目 卵巣刺激開始、超音波検査+ホルモン検査
9日目 卵胞のチェック+ホルモン検査
11日目 卵胞のチェック+ホルモン検査
13~14日目 採卵

<高刺激周期の一例>

アンタゴニスト法

月経3日目からピルを10日間ほど服用します。ピルを飲むことによって、卵巣のコンディションを整えることができます。ピル服用終了後に卵胞発育を促す注射(HMG製剤)を連日行います。HMG製剤の使用により多くの卵胞が発育し、採卵をする前に排卵してしまう可能性があるため、それを防ぐため、刺激後半から2−3回程度GnRHアンタゴニストの注射を併用します。
卵胞が十分に発育したのを確認した後、卵子の成熟を促す点鼻スプレー(GnRHアゴニスト)と注射(hCG)を行い、約35時間後に採卵を行います。連日の注射が必要となりますが、たくさんの卵子を獲得できる特徴があります。
卵巣過剰刺激症候群の発症や重症化を予防する目的と、高刺激の後のホルモンバランスの乱れにより着床に良くない影響が出てしまう可能性があるため、胚は全て凍結し、次の周期に戻します。

通院のイメージ

月経の1~3日目 超音波検査、ピル処方
16日目 超音波検査+ホルモン検査、注射開始
22日目 卵胞のチェック+ホルモン検査
24日目 卵胞のチェック+ホルモン検査
26日目 卵胞のチェック+ホルモン検査
28日目 採卵

※来院のタイミングや回数は患者さんの体調や卵巣の反応より変化します。 卵胞発育の様子によっては来院の回数が大きく変化する可能性があり、来院頻度は必ずしも上記の限りではありません。 診察時の医師の指示に従ってください。

採卵について

静脈麻酔下で、経膣超音波ガイド下に採卵専用の針を用いて卵巣内の卵胞液を吸引し卵子を採取します。
静脈麻酔の希望がなければ無麻酔や局所麻酔も可能です。

体外受精・顕微授精について

採取した卵子は至適培養環境下に移され、採卵当日に受精を行います。
採取された卵子のうち成熟卵のみが受精する能力を有しています。受精の方法には2種類あります。
体外受精(IVF: in vitro fertilization)は、成熟卵と調整した精子を培養液中で混合(媒精)させる方法です。自然な状態での受精なのですが、受精障害や多精子受精を起こすリスクが少しあります。
顕微授精(ICSI:intracytoplasmic sperm injection)は成熟卵に細い針を用いて直接精子を注入します。精子の状態が不良で体外受精で受精が見込めない場合や、過去の体外受精で受精ができなかった場合は、顕微授精を行います。
受精後18〜20時間経つと卵子由来の雌性前核と精子由来の雄性前核という2つの核が出現します。採卵翌日の朝に受精の確認を行います。3個以上前核があるものは異常受精としてその後の培養を中止します。

体外受精について

胚培養について

受精後、胚はインキュベーターで最大7日間培養します。受精卵は、採卵から2日経つと4細胞に、3日経つと6~8細胞に発育します。
この時期の胚を初期胚といいます。その後何回か細胞分裂を繰り返し、5〜7日目には胚盤胞と呼ばれる胚まで発育します。
胚盤胞には、内細胞塊という将来赤ちゃんになる細胞と栄養外胚葉という将来胎盤になる細胞が見え始めます。
培養日数については、ご年齢や採卵数、体外受精の治療歴などを参考に医師とじっくり相談して決めましょう。

胚について

胚移植について

胚移植の方法には新鮮胚移植と凍結融解胚移植があります。新鮮胚移植は採卵の周期に胚移植を行う方法です。
当院では主に中刺激法や高刺激法で卵巣刺激を行なっているため、凍結融解胚移植を行うことがほとんどです。凍結融解胚移植の方法には自然周期法とホルモン補充周期法があります。

ホルモン補充周期法による凍結融解胚移植の通院のイメージ

月経の1~3日目 超音波検査+ホルモン検査、ホルモン補充開始
12‐15日目 超音波検査+ホルモン検査
18-20日目 胚移植(胚盤胞) ※初期胚を移植する場合は16-18日目となります。
26-30日目 妊娠判定・ホルモン検査


※来院のタイミングや回数は患者さんの体調や子宮内膜の状態により変化します。来院の回数が⼤きく変化する可能性があり、来院頻度は必ずしも上記の限りではありません。 診察時の医師の指⽰に従ってください。

凍結融解胚移植は移植をする日の朝に胚を融解し、融解した胚を移植します。
胚移植は細く柔らかいカテーテルを⽤いて、胚を⼦宮の中に⼊れます。痛みは感じない⽅がほとんどですが、静脈⿇酔下に⾏うことも可能です。所 要時間は10分程度です。

39歳以下の⽅が良好胚を3回以上移植しても妊娠に⾄らない場合、着床不全を疑います。
当院では着床不全の検査・治療にも⼒を⼊れており、種々の着床不全検査・治療が可能となっております。是⾮⼀度当院にご相談ください。

西船橋こやまウィメンズクリニック

千葉県船橋市印内町638-1
Tel.047-495-2050
西船橋駅南口徒歩3分

診療
時間
祝日
10:00〜
13:00
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16:00〜
20:00
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【休診】水曜/日曜/祝日午後
△午後18:00までの診療となります。
※お子様連れでの来院はご遠慮くださいますようお願いいたします。
※お電話でのご予約お問い合わせは診療時間内に承っております。
※医師から月経1〜3日目に来院するように指示された方の来院当日のお電話での予約は承っておりません。 詳しくはこちらのページをご覧ください。